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【大阪】成田山不動尊をレポ!不動明王はなぜ寝屋川にやってきた?

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大阪府寝屋川市には成田山不動尊というお寺があります。「お不動さん」として親しまれる成田山がなぜこの地にやってきたのか、お不動さんとはどんな神様なのか、まとめました。

また、参拝の際に訪れたいおすすめスポットや著名人も参加する節分祭、仏教の世界を垣間見できる講習会などについてご紹介しています。

成田山不動尊はどんなお寺?

 

成田山は、千葉県成田市にある成田山新勝寺が大本山となっています。その別院として大阪府寝屋川市にあるのが、成田山不動尊です。正式には成田山大阪別院明王院という名称がありますが、成田山、お不動さんといった略称で呼ばれることがほとんどです。

千葉の成田山の始まりは平安時代中期、成田山新勝寺の開祖となる寛朝(かんちょう)が、平将門の乱を収めるために、弘法大師空海が開眼した不動明王の本尊を持って都から東国へ下り、護摩祈祷を行ったことを起源としています。

しかし、寝屋川市にある成田山不動尊に限っていえば、日本で初めて人車一体とした交通安全を行い、交通安全専用の祈祷殿を築いたことから、交通安全祈願を得意とするお寺として知られています。

成田山不動尊は宗派を問わない

成田山不動尊は、宗派としては真言宗智山派に属しています。

しかし、宗派を問わず、切実な願いを持った人に寄り添うことを理念にしており、どんな人でも参拝、祈祷が可能となっています。

後述しますが、一般向けの講習会も多く開催されており、伝統や宗教文化を重んじながらも、気軽に訪れられる寺院として高い人気があります。

ご本尊は不動明王

不動明王はヒンズー教のシヴァ神と同一視されており、密教でいう五大明王の一人で、梵名をアチャラナータといいます。

「アチャラ」は動かない(不動)ことを意味し、「ナータ」は守護者という意味を持つことから、揺るぎなき守護者とされます。

祈りの言葉である真言は、「ノウマク サンマンダ バザラダン カン」です。参拝されるときにはこの真言を3度唱えるといいでしょう。

お寺にお祀りされている如来や菩薩の多くはアルカイックスマイルとも呼ばれる柔和な微笑みを浮かべていますが、不動明王はつねに睨みつけるような表情をしており、炎を帯びていることから、近寄りがたいイメージを持っている人も多いかと思います。

しかしこれは、不動明王がどんな悪を働き、罪を犯した人であっても仏道へと導くという強い心の表れであり、実はとても慈悲深い性質を持っています。

右手に持つ宝剣は知恵とその鋭さを示し、左手の羂索(けんさく)は迷いの道から連れ戻すために使われる縄を表しています。

成田山不動尊は大阪市の鬼門に位置する

大阪府枚方市に「ひらかたパーク」という遊園地があるのをご存じでしょうか。V6の岡田准一さんがひらパー兄さんを務めるなど、地域から愛されている遊園地です。

実はこのひらかたパーク、もとは「香里(こうり)遊園地」という名称で、現在の成田山不動尊がある位置で営業していました。ところが、この地は大阪市の鬼門にあたり、そのせいか、この場所にあったときには繁盛せず、たったの2年で場所を移し、今のひらかたパークへと転身しました。

香里遊園地の跡地にはその後、分譲住宅が建設されていくのですが、「鬼門」のイメージが悪いというので、「この地域に鬼はいない」というアピールのために建設されたのが成田山不動尊です。このような経緯から、鬼門除けのご利益でも知られています。

寺紋の葉牡丹に隠された意味

 

寛朝が平将門の乱を平定せよとの命を受けたのは朱雀天皇でした。そのためか、皇室と縁深い成田山は、皇室より正式に菊の紋様の使用を許可されています。そのため昔は「葉菊」という紋を使っていたのですが、明治維新の際に菊の紋の使用が制限されてしまいました。

そのため、明治時代以降は「葉菊」の葉だけを残し、「葉牡丹」を正式な寺紋として扱っています。

護摩祈祷が自由見学できる

 

神社でも神主が常駐しているところでは毎朝、朝拝といって祝詞をあげていますが、成田山不動尊では毎日5回、護摩祈祷を行っています。

7時30分、9時30分、11時30分、13時30分、15時30分の回があり、それぞれ開始時間の15分ほど前には集まるようにしてください。

これは無料で見学ができるため、特別に祈祷してもらうほどではないという方でも、ぜひこのタイミングにあわせて参拝されるといいでしょう。

護摩祈祷は火を扱う激しい祈祷です。よこしまな心、汚れた心はすべての人に等しくありますが、そのような迷った心を滅し、正しい道へと導いてくださる不動明王の力強さを感じるご祈祷になっています。

成田山不動尊の見所は大師堂と奥の院

成田山不動尊へ行かれるなら、本殿だけ参拝して帰るのはもったいないです。時間に限りがある方も、できれば大師堂と奥の院のどちらかだけでも訪れて帰ってほしいと思います。

荘厳な雰囲気のある大師堂

 

大師堂は、その名のとおり、真言宗の開祖であるお大師様、空海をお祀りしたお堂です。外観は豪華な飾りが多いわけではありませんが、中に入ってみると天井の美しい絵やきらびやかな装飾が目を引く立派なお堂になっています。

弘法大師空海のほかに、理源大師聖宝、興教大師覚鑁(かくばん)と、それぞれ真言宗を世に知らしめた重要なお大師様たちが鎮座されています。

幽玄美の奥の院

 

荘厳できらびやかな大師堂とは打って変わって、奥の院には幽玄な趣があります。人によっては怪談話に出てくる肝試しのようなおどろおどろしさを感じるかもしれません。

先の見えない闇にろうそくの光だけがぼうっと浮かぶ様子は、落語「死神」のワンシーンのようでもあります。

ろうそくの火が揺れる暗闇の奥にお祀りされているのは大日如来様です。ここで大日如来と不動明王の関係についてご説明します。

大日如来は密教の中でもっとも位が高いとされている仏様で、宇宙そのものといわれています。仏教を広めたのはお釈迦様ですが、この宇宙のすべてを創造した仏様を大日如来と考えています。

「偉大なる太陽」を意味する大日の名で呼ばれている大日如来は、基本的に柔和な表情をしているのですが、道を間違うものがいると、心を鬼にして叱らなければなりません。それが不動明王です。つまり、不動明王は大日如来の化身であり、表裏一体な存在ということになります。

成田山不動尊の奥の院に鎮座される大日如来は金剛界の大日如来のもので、深い知恵を持った仏様です。お不動さんをお参りするだけでなく、大日如来も参拝すれば、不動明王の厳しい慈悲の心と、天地創造の知恵をいただくことができます。

節分祭には著名人が参加

 

成田山不動尊では毎年、節分祭を開いています。豆まきの「まめ」は、魔を滅するというところから来ており、各地の寺社で厄除けの意味を持って行われています。

このように多くの寺社仏閣で執り行われる節分祭ですが、成田山不動尊の節分祭には多くの著名人が参加することからとても人気があります。

直近ではNHKのテレビドラマに出演していた安藤サクラさんや松坂慶子さんをはじめ、有名な落語家さん、お笑い芸人さんたちが豆まきに参加しています。

豆まきは初穂料を払えば参加可能

10時30分、13時、15時のそれぞれに始まる追儺(ついな)豆まきの儀式は、裃(かみしも)を着用し、厄除けの祈願等を行ったのちに豆まきをする儀式です。参加料は5万円と高いですが、福枡、福守、福扇子など、厄を断ち切り福をもたらす縁起のいいお下がりをいただくことができます。

12時、14時からは、気軽に参加できる招福豆まきの儀式があります。こちらは参加料3000円で、お下がりは福豆だけですが、節分の日にふさわしい行事に参加することができます。

成田山不動尊では修行体験ができる

そもそもお寺は僧侶たちが修行を行う鍛錬の場です。一般人はお参りをすることはあっても、説法を聞いたりする機会はあまりありません。

成田不動尊では一般の人にも仏教の世界に親しんでもらおうと、さまざまな取り組みをしています。

取り組みの一環として、写経や瞑想の修行体験を行っています。

御詠歌講習会で仏教音楽に親しむ

 

詠歌(えいか)とはもともと、和歌を詠むことや、和歌自体を示す言葉でしたが、現在では和歌に旋律を乗せ、仏の教えを知らしめる巡礼歌のことをいうのが一般的になっています。

宗教歌というとほかに賛美歌やグレゴリオ聖歌などがありますが、どれもその宗教を理解していない人にはとっつきにくいものと思われがちです。御詠歌も同様に、あまり知られることのない宗教文化ですが、だからこそ成田山不動尊では、一般の人向けに御詠歌の講習会を開いています。

ゆったりとしたメロディーで和歌を詠うことは教養にもなりますし、声を出すというのはそれだけで気持ちのいいものです。はじめは鈴や鉦(かね)といった仏具、雅楽器の音色の美しさを味わうだけでもいいかもしれません。

仏教音楽に触れることで、新たな音楽分野に親しむだけでも楽しいですが、仏様の教えに触れ、何か気付きがあるのではないでしょうか。

また、故人の供養のために御詠歌を習いたいという方にもおすすめの講習会です。

講習日は毎月第3日曜日で、13時~14時が初心者講習、14時~16時は本講習となっています。体験料は無料で、初心者向けの時間が確立されているため、気軽に参加できるのも嬉しいですね。

阿字観瞑想会で呼吸法を体験

 

阿字観(あじかん)は、弘法大師空海が伝えたとされる、真言密教の瞑想法です。瞑想というととても難しく感じられるかもしれませんが、本来の意味は、心を静かにして、邪念を祓い、集中することや祈ること、思いをめぐらすことをいいます。

普段の生活が忙しく、落ち着いてものを考える時間のない人や、じっとしているのが苦手な人にもおすすめの体験会です。

「小さな花」とか「綺麗な器」というとき、それは何かと比べていることに気付いていますか?何かを基準にそれよりも小さいとか、綺麗という評価をしています。ですが、すべてのものはそこに「在るだけ」で、この「在るだけ」の世界の営みを阿字という言葉が表しています。

評価しない世界がどのように見えるのか体験してみたいという方は、阿字観瞑想会に参加するといいでしょう。

令和元年は、3月から11月の第3水曜日に行われました。月によっては第2水曜、第4水曜とイレギュラーな開催もあるようなので、成田山不動尊に直接確かめるのが確実でしょう。

時間は午前の部が10時から(受付は9時まで)、午後の部が14時から(受付は12時まで)で、こちらは参加費が1000円となっています。以前は日に1回だったのを2回に増やしたというほど人気のある会ですので、事前に問い合わせてから行くことをおすすめします。

先着12名の定員制になっているため、じっくりと自分の内側や世界、宇宙と向き合う時間が取れますよ。

写経会も開催

 

経文は、読むこと、読みあげること、書くことのすべてにご利益(功徳)があると考えられています。

成田山不動尊の写経会では、自分のペースでじっくりと書きあげることができるので、書きながら自分の中に仏様の教えを落とし込んでいくことができます。経文の意味がわからなくても、丁寧に書き写すなかで仏様との縁が結ばれていくため、心の掃除をする気持ちで気軽に参加するといいでしょう。

写経は書き終わったあと、お不動様にお供えしていただけるのも魅力です。

1月は不開催ですが、2月以降は月に1~2回開催されているので、行きたい!と思ったときに行けるのもいいところですね。時間は9時~15時とたっぷり取られているので、時間の許すかぎり、丁寧に書写し、功徳を積む時間にしてみてください。写経料は2000円ですが、できあがったものをお供えしていただけることを考えると高い料金ではありません。

写経をしてみたいけど、家ではやる気にならないという人はぜひご参加ください。

最後に

成田山不動尊は、大日如来の化身である不動明王を祀ったお寺です。厄除け、鬼門除け、交通安全祈願などに強く、2月3日の節分祭には著名人も訪れ、盛大な豆まき行事が行われています。

また、御詠歌講習会、阿字観瞑想会、写経会といった修行体験にも力を入れており、一般の人が仏教文化に親しむきっかけを用意してくれています。

どんなに道を外れた人や道に迷った人をも正しい道、仏様の道に導いてくださるという不動明王を参拝し、身のけがれや心の迷いを祓ってみてはいかがでしょうか。

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