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サムハラ神社をレポ!10倍の価格で転売された指輪守りとご利益とは?

サムハラ神社レポ

大阪市の西区立売堀(いたちぼり)にある「サムハラ神社」。カタカナ表記の神社名は珍しく、地図の中でも目立っています。

SNSでは『御神環』と呼ばれる強大な厄除けの指輪守りが話題となり、そのご利益を求め、小さな神社に多くの人が押し寄せました。

大阪のビジネス街の中に鎮座するサムハラ神社。
なぜ漢字表記ではないの?何の神様?ご利益は?力が強いことで有名かつ謎が多いサムハラ神社に行ってみました。

サムハラとは、宇宙の神様のことだった

サムハラ神社レポ2
サムハラ神社は現代ではカタカナで表記されていますが、古くから日本に伝わる神様です。
祀られている神様は、造化三神(ぞうかさんしん)と呼ばれる『宇宙の神様』だそう。

神社の中でも宇宙の神様は非常に少なく、姿や形がないというからイメージがつきにくいかもしれませんね。

造化三神は古事記に登場する神話で、天地ができる前から存在した神様の中でも重要ポストにあたる神様です。

土地、人間、そして万物を作り出したとされる「サムハラ」という名は漢字で表すことができず、神字といわれる経典や護符、呪符などで使われる文字で表現されています。

サムハラという四文字はそれだけで力が強いことから、御守りやお札にも記されており、唱えるだけでも力を発揮するほどの力があるとされ、災いから身を守るために唱える人もいるようです。

サムハラ神社の神様はどんな神

サムハラ神社レポ3
宇宙の神様「造化三神」は、天と地が分かれた時に高天原に登場しました。

『天之御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)』、『高皇産霊神(たかむすびのかみ)』、『神皇産霊神(かみむすびのかみ)』の三体です。

造化三神のどの神様も妻や子供がいないなど、対になる神様がいない「独神」であるとされています。
天之御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)
宇宙が始まり、そこに最初に現れた神様。宇宙の環境が整っておらず、混沌としている時に高天原の主宰神になりました。

理屈上では天と地が分かれる前から存在したということもあり、世界を作った神様という考えもあるようです。

天は大地の上にある「宇宙」、御中は「真ん中におられる」、主は「主人・主君」を意味しており、つなげて読むと『宇宙の真ん中におられる、至上神』ということになります。
高皇産霊大神(たかむすびのかみ)
天之御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)に次いで、日本で二番目に生まれた神とされているのが高皇産霊神(たかむすびのかみ)です。
「高木神(たかぎのかみ)」とも呼ばれており、背の高い木の神とも考えられています。

名前に含まれる「むす」は植物を生み出すことを、「び」は陽(太陽)を意味しており、「結び」は気持ちと肉体共に結ばれ産まれるという、同じ言葉に意味を重ねて表現された、まさに生命を生み出す力のある神とされています。

神皇産霊大神(かみむすびのかみ)
造化三神で最後に登場したのが神皇産霊大神(かみむすびのかみ)です。「神産巣日神」という名前でも表現されることがあります。

高皇産霊神(たかむすびのかみ)と同様に、「むす」は産巣・生産・生成などを意味しており、『び』は『日』、霊は『神霊』をあらわしたもので、「より神々しい、霊力の生成」という意味があります。

生み出す力の神ということで、天と地の交わりを強く関連づける存在です。
死んだものが行くとされる、いわゆるあの世「根の国(死・黄泉の国)」は地底にあると考えられており、地の底で命の再生や復活を司る存在とされています。

見慣れない漢字が並ぶ、日本の古い3体の神様たち。
要は「宇宙が生まれ、天と地が生まれた。その時に包括した神が3体いた」ということになります。

サムハラ神社はこれらの日本の祖ともなる、「生み出す力」の神を祀っています。

造化三神によるご利益

サムハラ神社の看板には、あらゆるご祈祷を受け付けてくれるとの表記がありました。

家内安全、無病息災、就転祈願、良縁祈願、団体旅行安全祈願、従業員安全祈願など、心願成就なんでもござれといわんばかりのレパートリーです。

「御霊験あらたかな不思議の四文字、身を守る」

身を守り、産み出す力が強いとされるサムハラ神社。
(利益を)生み出す力、勝負運などもご利益があることで、金運に特化した御守り入りおみくじというものがありました。

サムハラ神社の金運御守入りおみくじ

サムハラ神社レポ4
サムハラ神社のおみくじは金運開運御守り入りのおみくじが特徴的です。
開封するとおみくじと、1円玉より小さな金色の御守が入っています。

金色の御守りは7体存在し「縁起物」をかたどっています。
所願成就、幸福招来の御守りになるため、財布の中などに入れておくと良いとされています。

縁起物には一文銭の形をした「福銭」、米俵の形をした「福俵」、お金の縁起物「小判」、打出の小槌を想起する「小槌」、縁起物の動物では「カエル」、「亀」、そして魔よけの「だるま」の7種類があります。

縁起物の意味合い

サムハラ神社レポ5
■福銭
福銭とはお金を呼ぶお金のことです。類は友を呼ぶというという言葉もあるように、お金がお金を呼び寄せるという考え方もあり、ご縁(5円)を結んでくれます。

硬貨の丸い穴は「天」、四角い穴は「地」を意味しており、それぞれの要素を持つ銭が人の手に渡っていくことで人との円が生まれ、大きなパワーを得られると考えられています。

■米俵
米俵は七福神が乗っている宝船にも米俵が乗っていることもあり、縁起物とされています。古くから五穀豊穣、豊かな実りの象徴で、米を主食とする日本人の生活を支えてくれました。
お米には子孫繁栄の意味合い、米俵は貯蔵される宝であり、富の象徴とされています。

■小判
招き猫が抱いている小判。黄金は金運を招くとされ、江戸時代から主に客商売の家で商売繁盛を祈願して飾られていました。
小判は一枚で約13万円分ほどの価値があるとされており、現代でも富の象徴とされています。

■小槌
有名な昔話「一寸法師」では、小槌を打つと欲しい物が手に入ることで有名ですね。
七福神の一人「大黒天」も小槌を持っています。大黒天は財運福徳の神様とされており、財運向上アイテムとされています。

■カエル
カエルはその名前から、縁起がよいといわれています。お金が帰ってくる、無事に帰ってくる、若返るなどの意味合いがあります。

■亀
「鶴は千年、亀は万年」と言われている程、亀は長寿のシンボルです。
甲羅の形が小判の形に似ていることや、「銭亀」という亀もいるように、富を招く動物であるとされています。

■だるま
目力の強いだるまのお守りです。自分の精神を磨き、何度倒れても起き上がることや、魔よけの意味合いなどがあります。金色のだるまはまさに金運・仕事運の向上があるとされています。

サムハラ神社のお守りのご利益実体験

サムハラ神社レポ6
サムハラ神社を取り囲む壁には、御利益が現れた方のエピソードが看板に展示されています。

それは金運にとどまらず、サムハラ神社から授かった御守りのお陰で命が助かった体験をした人たちが、お礼参りに来たときに残したもの。

そこに掲げられているいくつかの九死に一生を得たエピソードをご紹介します。

山道でのダンプカー事故

昭和46年、建設会社による5月19日の記録

山陽新幹線の建設に関わっていたとき、六甲山トンネルの現場において土砂の運搬をするダンプカーの運転手(26)が路肩を踏み外し、ダンプカーごと30m下に転落しました。

ダンプカーは山の傾斜を三転五転と転がり、ついにはずみで運転手は車外に投げ出され、頭を強打して意識不明に。

額からは大量の血が流れ、現場から救助された時には助からないであろう状態でした。

そして、誰もが諦め半分のまま病院に搬送された後、彼は3日後に意識を取り戻したのです。

彼の上司はサムハラ神社で授かったお守りを持たせており、サムハラの神様のご利益で一命を取り留めたことでサムハラ神社にお礼参りに参拝にさせて頂いた、という話です。

舞台女優、公演中の転落事故

昭和39年3月13日、大阪梅田コマ劇場(現在の梅田芸術劇場)、通称ウメコマでの出来事。

元・宝塚歌劇団雪組トップ娘役を務めた経験もある浜 木綿子さんが公演中、せり穴に落ちて舞台の「奈落」に墜落する事故が起きました。

光が入らない場所での転落事故でしたが、落ちた場所に次の場面で使用するため舞台用具の長椅子が置いてあったのです。

長椅子の上に落ちたことで、奇跡的にもケガを逃れたのはサムハラ神社で授かったお守りを身に着けていたためとされ、お礼参りに来たという記録です。

加工現場にて、機械に手が挟まり…

昭和57年10月24日 クリーニング用のハンガーを作る作業でのこと。

工場では、連日のようにハンガーの加工が行われていました。
機械に手が挟まれると、人間の指や手は簡単に切り落とされてしまいます。

そこで、一人の男性従業員が機械に片手が挟まる事故が起きました。
一瞬の出来事、危うく指が切り落とされる所でしたが、奇跡的に難を逃れることができたのです。

彼はサムハラ神社で授かった指輪状の御守り「御神環守り」を身につけていました。
助かった後、使命を果たしたかのように、指輪は2つに割れたといいます。

それが今、インターネット上で魔よけの効果が絶大とされることで求められている「サムハラの指輪御守り」なのです。

10倍の価格で転売された指輪守り

サムハラ神社レポ7

サムハラ神社の怒りと決断

小さなサムハラ神社が有名になったのは、急死に一生を経た御守りによる御利益のエピソードがSNSなどの口コミで広がったことにあります。

指輪守りを求める人が増えた背景には、複数人で列を成し、何度も並び、指輪護りを手に入れてはインターネットで高額販売を行う「転売」が横行していました。

3千円の初穂料の指輪守りは、10倍の3万円で取引されることもあったようです。

徹夜で神社の前に居座り、手に入るだけ手に入れる強欲さは、信仰においての敬意はなく、サムハラ神社にとって迷惑千万、怒り心頭も無理ありません。

サムハラ神社が掲げた掲示板にはこう記されていました。

「何度も並んだり、毎回何度も受けようとする人は、退去いただきます(大勢の方が迷惑しています)」

「目に余る転売行為の苦情を多数お聞きしています。今後このような状況が続くならば、御神環の授与を中止することも有得ます。その場合は、転売サイトなどにアップされている御神環の「御魂抜きの神事」を行います。(遠距離でもその御守りとしての力は失われます)

残念ながら、この警告が出されたにも関わらず転売行為は止むことはありませんでした。
そのことから、警告どおり転売された指輪守りの「御魂抜きの神事」を行うことになったのです。

神事後は、
「暴利をむさぼるかのごとき高額をつけられた指輪形肌守りは、もちろんすべての転売される当神社のお札、御守りは無効化されております」

とのこと。

残念ながら転売をする人たちにとっては、転売という商売で収入を得た「ご利益」と考えている人もいるようです。

神事後のサムハラ神社

サムハラ神社レポ8
御魂抜きの神事は、本来であれば使わなくなった神棚や御守り、祭りが終わった神輿を格納する際に行うことで、神社にとっては特別な神事ではありませんが、サムハラ神社の宮司の方は「転売目的の注意喚起で行ったが、このような処置はしたくない」と話され心を痛めています。

現在はサムハラ神社の指輪御守りの御授与は行っておらず、次回の入荷の時期やサイズも決まっていません。

本来、指輪守りは代理ではなく授かる本人が自分の足で神社に赴き、自分のサイズに合うもの、在庫があって初めて授与されるものとされ、ある程度の運が必要になります。

もし、欲しいと思っても手に入らない場合は、「今は御守りは必要ない」というサムハラ神からのメッセージかもしれませんね。

サムハラ神社は怖い?

指輪守り転売の件の流れを見ていたSNSユーザーからは「なんだか怖い」という声も上がっていました。

日本には神社が多くありますが、観光目的やスタンプラリー感覚でのご朱印集めで気軽に訪れることができる様になった昨今、訪れる人に強く注意喚起や対処を促す神社は稀です。

強く注意喚起をする姿勢は、祀っている神への敬意ととることもできます。

この件があった後も、サムハラ神社の参拝者は途切れることはない様子でした。
参拝に来る人は雑談などもなく、手水舎で清め、深々と二礼二拍手一礼の作法を守っている様子でした。

広くない敷地内にはシンとした厳かな空気が漂い、宮司の方の対応も丁寧なことから必要な人が訪れるべき場所だと感じる空間でした。

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